歯の根の中の管(これを根管といいます)に関した治療を、根管治療(歯内療法)と呼んでいます。 歯は、人体の中で一番硬い組織ですが、その中には、俗にシンケイと呼ばれている歯髄という軟らかい組織が あって、根の先のほうの小さな孔で、あごの骨の中の神経や血管とつながっています。この歯髄が、むし歯(う蝕 )や外傷で、細菌の感染を受けたような場合には、歯がひどく痛んだり、歯肉が腫れたりします。このような時に、 もし、その歯を救い、さらに長い間機能させたいと思うならば、歯髄の一部或いは全部除去して歯を残すような治療 をしなければなりません。そこで、根管治療が行われるのです。 歯を保存したいという気持ちと、そのための良い方法を探究し続ける努力から生まれたこの『歯内療法(根管治療)』により、 みなさんの歯を更に長生きさせることができます。
根管治療
根管治療が必要となるケース
う蝕が歯の神経(歯髄)にまで達していた場合や、歯の根が病気になってしまった場合は、神経が細菌に感染してしまっているため、汚染された神経を取らなければなりません。歯髄は神経や血管を介して歯に栄養を届ける役目を担っており、これを失うと歯が弱って破折などのリスクが高まります。そうすると、今度は抜歯が必要になってしまいます。これが虫歯の早期発見・早期治療が大切だと言われている理由の一つです。虫歯がある場合は、放置せずにできるだけ早期に治療するようにしましょう。
マイクロスコープを使った根管治療
当院では、根管治療の際にマイクロスコープという手術用の顕微鏡の使用も行っています。根管の形状を肉眼の30倍に拡大することで、暗く、狭く、複雑な根管をできるだけ正確に捉え、より精密で確実な根管治療が可能となります。
ラバーダムを使った根管治療
当院では、根管治療時に可及的にラバーダムを用い、極力感染予防に努め治療しています。ラバーダムは治療する歯以外を薄いゴムのシートで覆い、歯垢・唾液からの2次感染を予防する等の目的で行います。
清潔な状態でデリケートな根管の中を治療できますので、成功率も高まります。
歯根端切除術
臨床では通常の歯の内部からの根管治療だけでは治りきらない症例があります。理由はざまざまですが、そのような場合に外科的な歯内療法を用いることで成功率の上昇が期待できます。
外科的な歯内療法の代表的なものは歯根端切除術と言われる術式ですが、外科的に歯肉を切開・剥離し、根の病巣を根の先端部一部を切除します。